ベンチャーキャピタルが支えるサステナブル業界への投資事例
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ベンチャーキャピタルが支えるサステナブル業界への投資事例

Thursday, 29 May 2025

気候変動や環境問題が深刻化する中、サステナブル(持続可能)な取り組みが益々注目されています。そんな中、新しい技術やアイデアで社会課題を解決しようとするスタートアップ企業が次々と誕生しています。そして、そうした企業を資金や知見で支える存在がベンチャーキャピタル(VC)です。

今回はベンチャーキャピタルがどのようにサステナブル業界を支え、未来の社会づくりに貢献しているのか、注目の投資事例や成果、課題をわかりやすく解説します。

ベンチャーキャピタルとは? 

ベンチャーキャピタル(VC)とは、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業に資金を提供し、その成長を支援する投資機関です。特にサステナブル分野では、社会課題の解決と高い成長性を兼ね備えた企業への投資が注目されています。

 

まずはVCの基本的な仕組みとサステナブル分野との親和性について、詳しく見ていきましょう。

 

<ベンチャーキャピタル(VC)の仕組みと目的> 

ベンチャーキャピタルは、将来性のある未上場企業やスタートアップに対して主に株式を通じて資金を提供します。これにより、企業は成長するための資金を得ることができ、VCは企業の成長後に株式を売却することで利益を得る仕組みです。

 

このような投資は、企業が株式公開(IPO)や他社による買収(M&A)を通じて実現されます。

VCの主な目的は、投資先企業の成長を支援し、その成果として得られるキャピタルゲイン(資本利得)を通じて利益を上げることです。

 

(参考:https://biz.moneyforward.com/ipo/basic/6705/)

 

<サステナブル分野との親和性>  

サステナブル分野では、環境問題や社会課題の解決を目指すビジネスモデルが多く存在します。これらの企業は、社会的意義と高い成長性を兼ね備えており、ベンチャーキャピタルにとって魅力的な投資先になります。

 

また近年、環境・社会・ガバナンスを重視するESG投資が注目されています。VCもこの流れに沿って、持続可能な社会の実現に貢献する企業への投資を強化している傾向です。

 

これによりVCは単なる利益追求だけでなく、社会的インパクトを重視した投資戦略を展開しています。

 

(参考:https://www.kotora.jp/c/55086/)

ベンチャーキャピタルによる注目の投資事例

ベンチャーキャピタルは、サステナブル分野の革新的なスタートアップ企業に積極的に投資し、持続可能な未来の実現を支援しています。以下に注目される投資事例を分野ごとにご紹介します。

 

あわせて読みたい: クライメートテックのスタートアップを調査!|状況や事例を解説

 

<「再生可能エネルギー」への投資事例> 

日本で再生可能エネルギー発電事業を手がけるスタートアップ企業は、ベンチャーキャピタルからの投資を受け、2025年4月に総額6.3億円の資金調達を実施しました。

 

特別高圧クラスの新規太陽光発電所や系統用蓄電池事業の開発・事業化、人材採用、施工・運転管理体制の強化などに活用されています。

 

また、カナダで独自の地熱発電システムを開発するスタートアップは、ベンチャーキャピタルから出資を受けています。独自の技術で従来の地熱発電の課題を克服し、クリーンで安定したエネルギー供給を可能にしました。グローバルなエネルギー転換に貢献しています。

 

(参考: https://enechange.co.jp/news/press/info20240125/)

 

<「クリーンテック・グリーンテック」分野への支援> 

ベンチャーキャピタルによるクリーンテック・グリーンテック分野への支援として、鉄と空気を利用した「鉄空気電池」を開発するアメリカのスタートアップに支援をする事例があります。

 

このスタートアップは技術の商業化に向けて、ベンチャーキャピタルを含む投資家から8億1,000万ドル(約1,210億円)以上を調達しました。

 

鉄空気電池は最大100時間のエネルギー貯蔵が可能で、再生可能エネルギーの不安定な供給を補完できる可能性があるとして期待されています。

 

(参考:https://forbesjapan.com/articles/detail/66823)

 

<「サーキュラーエコノミー・リサイクル技術」への出資>

廃棄物管理とリサイクル分野における、革新的なソフトウェアソリューションを提供するアメリカの企業はベンチャーキャピタルからの投資を受けています。

 

同社はサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指し、企業や自治体が廃棄物を資源として再活用できるように支援するという事業内容です。

 

成長戦略の一環として複数の資金調達を実施しており、2024年5月にはフリートテクノロジー事業の売却とともに、ベンチャーキャピタルから2,000万ドルの優先株式投資を受けました。

 

この取引により、総額9,420万ドルの資金を確保し、財務基盤の強化と事業の持続的成長を図っています。

投資の成果と課題

ベンチャーキャピタルによる投資は、スタートアップの成長を加速させ、株式公開(IPO)や他社による買収(M&A)といった出口戦略を通じて、高いリターンを得ることを目指しています。

 

サステナブル分野でも巨額の資金調達に成功し、事業拡大を遂げているスタートアップがある一方で、近年の市場不安定や規制強化により、IPOの延期やM&Aの減少が見られ、投資回収の難易度が増しているのも現状です。

 

ベンチャーキャピタルによる投資は、高リスク・高リターンの性質を持ち、綿密な戦略と市場理解が求められます。

 

(参考:https://www.kotora.jp/c/55983/

https://biz.moneyforward.com/ipo/basic/10406/#ESG-5)

ベンチャーキャピタルが切り拓くサステナブルな未来  

ベンチャーキャピタルはサステナブル業界のスタートアップに資金と成長機会を提供し、社会課題の解決と経済的リターンの両立を目指しています。しかし、市場不安定や規制強化などの課題もあるのが現状です。

 

ベンチャーキャピタルは、影響力の可視化や長期的な視点を持ち、持続可能な未来への貢献を意識した投資判断が求められます。投資を通じたより良い社会づくりへの流れは、今後益々広がっていくと考えられるでしょう。

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