バンクーバーはカナダで最もUrban Farmingが発展している都市として知られており、屋上農園や先進技術を活用したインドアファーミングなど、多様な取り組みが特徴です。具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

＜Urban Farmingは「世界一のグリーンシティ」を目指す戦略の一環＞

バンクーバーは「世界一のグリーンシティ」を目標に掲げ、持続可能な都市づくりに力を入れており、その取り組みの一環がUrban Farmingです。

Urban Farmingは都市空間に緑地を増やすことでCO2を吸収し、生産した食料を地元で消費することで、輸送に発生するCO2を削減します。

サステナビリティ(持続可能性)の認証を受けるホテルが世界の都市で最も多いといわれるバンクーバーでは、Urban Farmingは自然な取り組みなのです。

実際にバンクーバーの代表的なホテルの屋上には、菜園や養蜂所などが広がりUrban Farmingの体験ができます

(参考:バンクーバー　訪れる人をサステナブルな人に変える街)

＜コミュニティーガーデンの拡大＞

バンクーバーのUrban Farmingは、地域住民が共同で運営するコミュニティーガーデンが拡大しているのも特徴のひとつです。作物の栽培やイベントなどを通じて、地域住民が交流する場となり、コミュニティーガーデンが社会的なつながりを強化する役割を果たしています。

また、公共の土地をコミュニティーガーデンとして利用しやすいよう、手続きを簡素化している点もポイントです。

＜屋上農園が多い＞

バンクーバーのUrban Farmingの特徴として、屋上農園が多いことが挙げられます。土地の密度が高い都市部でも、多くの企業や住居ビルが屋上を活用してUrban Farmingを行なっています。

屋上農園は都市の緑化を進めるだけでなく、エネルギー効率の向上にも貢献しているのも良い点です。

＜先進技術を活用したインドアファーミング＞

バンクーバーでは液体栽培のハイドロポニクスや魚の養殖と水耕栽培を組み合わせたアクアポニックスなど、先進的な栽培技術を用いたインドアファーミング(室内農業)も盛んです。

室内で農作物を栽培することで、季節や天候に左右されず、都市でも安定した食料生産が可能となっています。これらの技術を使って生産された野菜や果物は、地元のレストランや市場に供給するビジネスとして発展している点も特徴です。

＜Urban Farmingで育てた野菜はフードバンクにも貢献＞

バンクーバーは食料安全保障を目指し、フードバンクや地域コミュニティーへの食料供給に力を入れています。Urban Farmingで生産した野菜や果物は、フードバンクを通じて低所得者層に提供され、住民の食料不安の解消に大きく貢献しているのも特徴です。

またUrban Farmingのコミュニティーを通じてボランティア活動も実施されており、社会的包摂にもつながっています。

(参考:バンクーバーの農園Heppell’sが規格外野菜を無料提供。農地が売却される可能性？)

＜Urban Farmingに関する教育や参加プログラムが充実＞

バンクーバーではUrban Farmingに関する教育プログラムや、市民参加の取り組みが充実している特徴があります。例えば学校やコミュニティーセンターで実施されるワークショップや、食育、環境教育などです。

都市部の子どもたちや若者がUrban Farmingに参加しやすいよう、さまざまなイベントやプログラムを提供することで、地域住民に広く浸透し、都市全体の環境意識が高まっています。

＜自治体の協力的なサポート＞

バンクーバーでは、Urban Farmingの普及を支援するために、政府や自治体が積極的に推進しているのも特徴のひとつです。Urban Farmingの拡大を図るために、土地提供や法規制の緩和、財政支援などを行なっています。

Urban Farmingが持続可能な都市生活の一部として機能することを目的とし、都市農業に関するデータ収集や研究も行なわれ、政策決定に役立っているのもポイントです。

バンクーバーにはいくつかUrban Farmingの成功事例があります。ここでは、代表的なプロジェクトをひとつご紹介します。

＜年間最大30トンの作物を生産する北米最大の都市農場＞

2009年に設立され、北米最大の都市農場に発展したバンクーバーのUrban Farmingです。

ダウンタウンにある廃棄された駐車場や未使用の土地を活用した大規模な農場では、年間最大30トンの新鮮な野菜を生産しています。

また、ホームレスや低所得者層の雇用機会を提供しており、雇用された人々は農業スキルを学び、経済的な自立につながっているのもプロジェクトの特徴です。

加えて、生産した作物は地元のレストランや市場に供給し、地域経済の活性化にも貢献しています。

(参考:https://solefoodfarms-com.translate.goog/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc)

バンクーバーのUrban Farmingは、環境保全やコミュニティー強化など、都市の多様な課題に対応するための重要な手段として発展しています。他の都市にとってもモデルとなる取り組みが数多く行われているのが特徴です。

Urban Farmingを検討している地域は、ぜひバンクーバーの取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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