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秋の七草とは?種類や花言葉、春の七草との違いを知ろう

Friday, 08 October 2021

『秋の七草』という言葉をご存知でしょうか?『春の七草』は無病息災を願い、お粥を食べることで知られていますが、秋の七草では一体何をするのか、知る人は少ないかもしれません。

また、春の七草の「セリ、ナズナ、ハコベラ……」などとは全く違った草花のため、イメージがわかないという人もいることでしょう。そこで今回は秋の七草の由来や、草花の種類と花言葉、春の七草との違いなどについて紹介します。

秋の七草とは?

まずは、秋の七草の意味や由来について見ていきましょう。

秋の七草は、奈良時代の歌人「山上憶良(やまのうえのおくら)」が詠んだ2首の和歌に出てくる草花がもとになっています。和歌は万葉集の8巻に収められており、後に多くの人に知られるようになりました。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数うれば 七種(ななくさ)の花」

「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)の花 」

1つ目の歌は「秋の野原に咲いている花を指折り数えてみたら7種類あったよ」という意味で、とてもおだやかで幸せな雰囲気が感じられます。そして2つ目の歌で「萩、尾花、葛花……」というように、7種類の草花を説明しています。

山上憶良は貴族でありながら、貧しい人たちや子ども、家族への愛情を詠む歌人として知られていました。歌の内容からも、彼の優しさを感じ取ることができるのではないでしょうか。

秋の七草の種類と花言葉

和歌に出てくる草花の中には、イメージがわかないものもあるかもしれません。それもそのはず、現代とは呼び方が違うものもあるからです。では、秋の七草を開花時期や花言葉と共に詳しく解説します!

萩(はぎ)

マメ科の植物で秋を代表する草花でもある「萩」。色鮮やかな赤紫色の小さな花を多数咲かせるのが特徴です。

・開花時期…7月~10月頃
・花言葉…思案、柔軟な精神

尾花(おばな)

和歌に出てくる「尾花」とは別名「ススキ」のこと。ススキの穂が動物のしっぽに似ていることから、尾花と呼ばれていたようです。日当たりの良い山や野原で見られます。お月見のお供えにも欠かせない植物のひとつです。

開花時期:9月~11月
花言葉:活力、生命力

葛(くず)

葛はマメ科の植物で、ショッキングピンクや濃い紫のような花を咲かせます。食用として使われるのは、花ではなく根から取れるデンプン質の部分。そこからくず粉が作られ、葛餅や葛湯として、親しまれています。また、根を乾燥させると葛根湯の原料となり、漢方薬としても有名です。

開花時期:8月末~9月
花言葉:治療、根気、芯の強さ

撫子(なでしこ)

秋の七草でいう撫子とは、日本固有種である「カワラナデシコ」を指しています。華麗な淡紅色で先が細い糸のように分かれているのが特徴です。日本女性の清らかさを表す「大和撫子」という言葉も、花のように美しい姿を意味しています。

開花時期:6月~9月
花言葉:無邪気、純愛、才能

女郎花(おみなえし)

小さい黄色い花を多数咲かせる女郎花(おみなえし)。「おみな」とは女性を意味し、「えし」には圧倒するという意味があると言われています。つまり、「おみなえし」とは、「美しい女性をも圧倒させるきれいさがある花」という意味。

花言葉にも「美人」とつけられています。万葉集の他、源氏物語にも出てくるなど、古くから親しまれている花のひとつです。

開花時期:6月~10月
花言葉:美人、親切、約束を守る

藤袴(ふじばかま)

淡紫色をした5mmほどの小さな花を房状に咲かせる藤袴。乾燥させると桜餅のような香りがするのが特徴です。シャンプーや香水などの香りに用いられることもあります。藤袴は川沿いの湿った場所を好みますが、現在では河原の整備など環境の変化によってほぼ見られなくなり、絶滅危惧種に指定されています。

開花時期:8月~9月
花言葉:遅延、ためらい、あの日を思い出す

朝貌(あさがお)

和歌に出てくる朝貌とは「桔梗」のこと。濃い青紫色をした星形の花を咲かせるのが特徴です。その形の美しさから、明智光秀をはじめとする多くの武将たちの家紋に用いられていました。また、根を乾燥させ、煎じて飲むと喉の痛みに効くとされ、漢方薬としても有名です。

開花時期:6月~10月

花言葉:誠実、気品、清楚

七草粥は春だけ?秋の七草は何をするもの?

秋の七草は、春の七草のようにお粥にして食べることはありません。秋の七草は基本的に食べるものではなく、見て楽しむものなのです。

かつて春の七草は、野菜が少ない冬に、栄養を補うという意味でお粥に入れて食べられていました。しかし、秋の七草は和歌にもあるように野山に咲く草花を見つけて、喜び愛でるもの。秋を感じながら草花の美しさを鑑賞し、楽しむためのものと覚えておきましょう。

秋の七草の覚え方

秋の七草をより楽しむために、覚え方のコツを紹介します。

<和歌のリズムで覚える>

和歌には「5・7・5・7・7」でテンポよくリズミカルに詠めるような特徴があります。

「はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな 
おみなえし また ふじばかま  あさがおのはな(ききょう)」 

リズムを意識しながら、何度かくり返し口ずさんでいるうちに、覚えられるようになりますよ。

<キーワードで覚える>

あいうえお作文のように、花の頭文字を並べてキーワードで覚える方法です。

【おすきなふくは(お好きな服は?)】

「おみなえし」「すすき」「ききょう」「なでしこ」「ふじばかま」「くず」「はぎ」

なんとなく花の名前がわかっていれば、頭文字をヒントに思い出すことができるでしょう。お子さんと一緒にゲーム感覚で覚えるのもおすすめです。

『秋の七草』がこの先もずっと楽しめるよう、自然を大切にしよう

今回は秋の七草の由来や、草花の種類と花言葉、春の七草との違いなどについてお伝えしました。

秋の七草が楽しめるのは9月中旬から11月にかけてです。萩や女郎花、撫子などの美しく色鮮やかな花をはじめ、食品や漢方薬として私たちの身近にある葛や桔梗などもありました。

中には絶滅危惧種に指定されている藤袴などもあり、これから先もずっと見られるとは限りません。美しい草花たちを守るためには、地球を汚さないよう、ひとりひとりの行動や心掛けが大切です。

古くから受け継がれてきた秋の七草をこの先もずっと楽しむことができるよう、歌人「山上憶良」の優しさを思い起こして、自然を大切にしていきましょう。

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