ビーガンとは、動物性食品を一切とらない完全菜食主義を指します。肉や魚介類、乳製品をはじめ、卵やはちみつなども口にしません。ビーガンの中でも、動物愛護を重視し、ファッションや化粧品など動物由来のものは一切身に着けない「エシカルビーガン」や、食事のみ動物性由来を控える「ダイエタリービーガン」などの種類があります。近年多様な食スタイルの考えが浸透していることから、日本でもビーガンを実践する人が増えている傾向です。

（参照:ベジタリアンの種類)

「ビーガンチートデイ」とは、「ビーガンをお休みして好きなものを食べる日」という意味で使われている言葉です。

ダイエットにおける「チートデイ」と同じように、普段は動物性食品を控える食事をしている人が、定期的に日を決めて動物性食品も制限なく食べることを意味します。

週や月に一回など、取り入れる頻度に決まりはなく、自分が好きなタイミングで決められます。例えば友人の誕生日や家族のお祝いごとで食事をする日をチートデイにして、焼肉やステーキ、寿司なども好きに食べても問題ないとされています。

ビーガンチートデイはあくまで自己判断で取り入れるものなので、特に厳しい決まり事はありません。

ビーガンチートデイは特別な日に家族や友人と好きに食事を楽しめるほか、不足しがちな栄養素が補給できたり、ビーガンを継続しやすくなったりなどのメリットがあります。ビーガンチートデイを取り入れるメリットについて、詳しく見ていきましょう。

ビーガン食では不足しがちな栄養素を補給できる

ビーガン食は動物由来の食品を一切とらないため、亜鉛や鉄分、ビタミンB12などの栄養素が不足しがちといわれています。ビーガンチートデイで定期的に肉や魚、乳製品を食べることで、不足しがちな栄養素を補給でき、より健康な体を目指せるのがメリットです。

チートデイがあることでビーガンを始めやすくなる

ビーガンは動物由来の食品を一切とらない食スタイルであるため、「自分には無理…」と始めるのに躊躇してしまう人は少なくありません。しかし、ビーガンチートデイがあることで「絶対に肉や魚を食べてはいけない」というプレッシャーが緩和され、ビーガンを始めやすくなります。

ビーガンを継続しやすくなる

ビーガンチートデイを取り入れることで、結果的にビーガンを長く続けられるといったメリットがあります。一度肉や魚を食べてしまってもまた菜食に戻せばよいため、罪悪感を持つこともありません。基本的には菜食中心で植物性たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に摂取できるビーガンは、健康に良い食事法として長く続けるに越したことはないでしょう。

もともと「ビーガンチートデイ」はビーガンを実践する人がSNSで発信したことで、話題になりました。ビーガンを実践していない人や一部の人からは、「ビーガンなのに肉を食べるなんて矛盾している」といった声や「ビーガンと名乗るなら肉を食べるべきではないのでは？」といった疑問も出ています。

確かにビーガンは動物由来の食品を一切食べない食事法を実践しています。しかし、先述したようにビーガンの中にも種類があり、動物愛護を重視するエシカルビーガンがいれば、食事のみ実践するダイエタリービーガンもいます。

動物愛護を重視する考えでビーガンを実践しているならば、定期的に肉や魚を食べるというのは理解できないかもしれません。

一方、食事のみ実践するダイエタリービーガンは、そもそも健康的な食事法を求めて取り入れている人が多いといえます。

このようにひと口にビーガンといっても、ビーガンに対する考え方や在り方は人それぞれであるため、ビーガンチートデイを取り入れることは自由なのです。

ビーガンを実践している人の中には、徹底した思想を持っている人と健康的な食事を目的としている人もいて、在り方はさまざまです。

ビーガンチートデイは、ビーガン食のみでは不足しがちな栄養素を補給できたり、継続しやすかったりと多くのメリットがあります。

これまで興味はあってもなかなか始められなかった人にとっても、ビーガンチートデイがあることで、始めやすくなるでしょう。多様な食のスタイルを尊重し、自分に合った方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい: ヴィーガンのお好み焼きはヘルシー！おいしく作るポイントは？