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ヴィーガンがSDGs達成に貢献する?食生活の意識を変える取り組みとは

Thursday, 03 February 2022

「ヴィーガン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?よく「ベジタリアン」と混同されることがありますが、ベジタリアンは肉類、魚類を摂らない菜食主義者のことです。

一方、ヴィーガンは肉類、魚類に加え、卵や乳製品、ラードなど動物由来の食品を一切摂らない人のことを指しています。そんなヴィーガンが、SDGsの達成に貢献できるのではと、関心が高まっています。

そこで今回はヴィーガンがSDGsにどのように貢献するのか、また、最近広まりつつある、食生活の意識改善を目的とした、ヴィーガンの取り組みについてご紹介します。

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ヴィーガンがSDGsにどのように貢献するの?

SDGsとは、地球規模の問題を開発するために定められた持続可能な開発目標です。2030年までに達成すべき17の目標には、さまざまな分野の課題があり、世界の国々で取り組みが進められています。

では、SDGsの中でヴィーガンが一体どのように貢献できるのか、詳しく見ていきましょう。

<農耕地と食料確保の問題>

肉、魚、卵、乳製品などを生産するため、家畜の飼育などに使われている面積は、実に世界全体の農耕地の83%を占めています。

また、家畜の餌として使用する飼料は、年間で7億トンにも及びます。その一方で世界の人口は増え続けており、このままでは2050年までに世界の人口が約100億人に達すると予想されています。

そうなると家畜を飼育できる農耕地が残っていないどころか、食料が確保できなくなることも考えられるでしょう。これはSDGsの2番目「飢餓をなくそう」にも関わる問題です。

世界中の人が食べ物に困らないようにするためにも、動物性食品から植物性食品へのシフトチェンジがひとつの解決策になると予想されています。

<水質汚染と水の使用量>

畜産業では大量の水を使用します。例えば、牛肉1kgを生産するのに使用する水量は、約13000リットル。一方、トウモロコシ1kgを生産した場合の水量はわずか500リットルです。

また、発展途上国における家畜飼育では、動物の未処理の糞尿、病気予防に使われる抗生物質などがそのまま川や海に排出され、水質汚染が起こっている例が多くあります。これによって、人間の生活用水が汚染されるだけでなく、川や海の生態系にも悪影響を与えています。

このような水質汚染を抑えるためにも、畜産を軽減し植物性食品の生産を増やすことが水質向上につながるといえるでしょう。SDGs7「安全な水とトイレを世界中に」、SDGs14「海の豊かさを守ろう」にも貢献できます。

<温室効果ガスの排出量>

畜産業に由来する温室効果ガスの排出量は、世界全体の14.5%~18%を占めるといわれています。

牛の排出物やゲップから出るメタンガスが地球温暖化に与える影響は、同じ量の二酸化炭素の23倍にも及ぶと算出されています。

また、餌やり、運搬、冷蔵など生産、流通の各段階においても二酸化炭素が発生しています。これは畜産業だけでなく、漁業においてもいえることです。船の燃料からも大量の二酸化炭素が排出されています。

温室効果ガスの排出は地球温暖化を促進させるため、SDGs13「気候変動に具体的な対策を」にも大きく関わる問題です。

ヴィーガンを選択する人が増えれば、農業や漁業における温室効果ガスの排出を削減し、気候変動の対策にも貢献します。

ヴィーガンで食事の意識を改革?広がる取り組みとは

日本においても、少しずつ食生活の意識を変えることを目的とした取り組みが広がってきています。ここでは、2つの取り組み事例を紹介します。

<SDGs学ぶヴィーガン給食>

都内のとある小学校では、月に1回ヴィーガン給食を取り入れています。肉や魚、卵、乳製品などを一切使わない、完全菜食メニューです。

ヴィーガン給食はひとりひとりの食生活が環境に与える影響を意識し、多様な価値観を学ぶことを目的としています

給食にヴィーガンが取り入れられる例はめずらしいとされていますが、今後はこのような取り組みも増えてくるかもしれません。当然のように牛乳が出されている給食も、これからの時代は徐々に変化するかもしれません。

<官公庁、区役所などの食堂にヴィーガンメニューが導入>

2017年、行政機関としてはじめて内閣府食堂がヴィーガンメニューを導入しました。それに続いて2018年には東京都庁、2020年には台東区役所、2021年には気象庁の食堂がそれぞれヴィーガンメニューを週1回あるいは毎日提供しています。

そして、最近では千代田区役所内にある地域に開かれた食堂にもヴィーガンが導入されました。ヴィーガンメニューは植物性食品のみで調理されているのが特徴です。野菜中心でありながら、大豆ミートが入ることで肉のような食感が味わえ、満足感が得られるとして人気が高まっています。

このようにヴィーガンは社会全体で広まりつつあります。食の多様性が進む中、今後は飲食店でもヴィーガンメニューに触れる機会が増えてくるのではないでしょうか。

食生活にヴィーガンを取り入れてみよう

ヴィーガンは地球の限りある資源を守り、多くの動物の命を助けると共に、地球温暖化の抑制にも大きく貢献することがわかりました。また、完全菜食のため肥満防止にもなり、人々の健康にも良い影響を与えてくれるといえます。

農林水産省は現在、ヴィーガンやベジタリアン対応がされているかどうかがひと目でわかる「ベジJASマーク」を検討しており、2022年の3月には制定される見通しとされています。

スーパーや飲食店などで「ベジJASマーク」が登場することで、より身近にヴィーガンを感じられるのではないでしょうか。

いきなり完全なヴィーガンに切り替えるのはハードルが高いですが、週1日ヴィーガンなどの取り組み方もあります。ぜひ、地球とからだに優しいヴィーガンを食生活に取り入れてみてくださいね。

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