サステナブル業界を支えるインパクト投資とは?成功事例と選び方
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サステナブル業界を支えるインパクト投資とは?成功事例と選び方

Wednesday, 04 June 2025

社会課題の深刻化やSDGsの推進を背景に、企業活動だけでなく、投資の世界でも「社会に良い影響を与えること」が求められる時代になっています。

その中でも注目を集めているのが「インパクト投資」です。社会や環境にポジティブな変化をもたらすことを目的に、サステナブル業界へ資金を循環させる取り組みです。

今回は、インパクト投資の基本から成功事例、始める際の選び方や注意点まで解説します。

インパクト投資とは?ESG投資との違いもチェック  

まずはインパクト投資の定義と特徴、ESG投資との違いや注目されている理由を見ていきましょう。

 

<インパクト投資の定義と特徴>

インパクト投資とは、「社会課題の解決」と「経済的リターン」の両立を目指す投資スタイルです。単なる寄付や社会貢献とは異なり、投資先の事業活動を通じて環境・社会へポジティブな影響(インパクト)を与えながら、同時に投資収益も追求します。

 

リターン重視型からインパクト重視型まで、幅広いタイプがあり、個人投資家も参加できる機会が増えています。

 

<ESG投資との違い>

ESG投資も環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を意識した投資ですが、インパクト投資はより「積極的な変化を起こすこと」を目的としています。ESG投資はリスク管理の側面が強いのに対し、インパクト投資は社会課題の解決を明確なゴールに掲げている点が大きな違いです。

 

<インパクト投資が注目されている理由> 

国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の広がりを背景に、世界中で社会的インパクトを重視する投資のニーズが急拡大しています。特に、貧困、気候変動、教育格差などの課題をビジネスの力で解決しようとする動きに、インパクト投資は欠かせない存在となっています。

 

(参考:https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=108353)

インパクト投資が支えるサステナブル業界とは? 

インパクト投資は、社会課題の解決と経済的リターンの両立を目指す投資手法であり、サステナブル業界の発展に大きく貢献しています。

 

あわせて読みたい: SDGs7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに|現状と課題

 

インパクト投資が注目するサステナブル業界には、主に太陽光や風力、水力などの「再生可能エネルギー」、気候変動による水不足や水質汚染の問題に対応するための「水資源管理」などがあります。

 

また、環境負荷を軽減しつつ生産性を向上させる「サステナブル農業」「食料問題」関連に加え、教育機会の均等や医療へのアクセス向上、ジェンダー平等の推進などを含めた「社会課題領域」などがあります。

サステナブル業界へのインパクト投資成功事例  

インパクト投資は、持続可能な社会の実現を目指し、さまざまな分野で具体的な成果を上げています。ここではサステナブル業界における国内外の成功事例を見ていきましょう。

 

<海外の事例>  

フランスに拠点を置く世界有数の金融グループは、環境に優しい農業を推進する同国の企業にインパクト投資を行い、荒廃した農地や森林を購入し、生態系の回復と生物多様性の保全を支援しています。

 

同社はこれらの土地を農家に貸し出し、持続可能な農業への転換を促進しています。

 

また、社会的企業への投資を行う米国のインパクト投資ファンドは、アフリカの農業分野において、貧困層へのサービス提供を重視した投資を実施中です。

 

投資先の選定では、社会的インパクト評価や地域環境の理解を重視し、継続的なモニタリングを行っています。

 

<国内の事例> 

日本の農林中央金庫は、欧州の投資銀行が発行するサステナビリティーボンドに投資を行い、自然災害リスクマネジメントや持続可能な環境・社会の実現に資するプロジェクトを支援しています。

 

サステナビリティーボンドとは、環境問題と社会問題の両方に対応するプロジェクトに必要な資金調達のために発行される債券です。

 

また、国内のグループ保険会社を統括する保険持株会社は、海外のインパクトファンドに投資を行っています。これを通じて、気候変動対策や包摂的な成長、ヘルスケア、教育などのソーシャルインパクトテーマに取り組んでいます。

 

(参考:https://www.nochubank.or.jp/sustainability/management/finance/)

インパクト投資を始める際の選び方と注意点  

インパクト投資を始める際には、投資先の選び方や注意点を確認しておくことが重要です。ここでは、投資先選定のポイントや注意点を解説します。

 

<投資先選定のポイント> 

投資選定のポイントは、自分が関心を持つ社会課題や分野を明確にし、それに取り組む企業やプロジェクトを選ぶことです。

 

自分の関心ある分野であれば、投資先の活動内容や成果を理解しやすくなり、社会課題の解決への取り組みが把握できるため、投資の意義を感じられます。

 

次に、投資先が社会的・環境的なインパクトをどのように測定し、報告しているのかを知ることも重要です。透明性の高い報告を行っている企業は信頼性が高いといえます。

 

さらに、社会的インパクトだけでなく、持続可能なビジネスモデルを持ち、財務的なリターンが見込めるかを評価するのもポイントです。

 

<注意点>

インパクト投資は、新興企業や社会課題に取り組むプロジェクトが多く、リスクが高い場合があります。リスクを十分に理解し、分散投資を心掛けましょう。

 

また社会的インパクトの実現には時間を要することが多いため、長期的な視点で投資を行うことが求められます。

 

さらに、インパクト投資に関する情報は限られているため、専門家の意見を参考にするなど、信頼できる情報から情報収集を行いましょう。

インパクト投資でサステナブルな未来に貢献しよう  

インパクト投資は、経済的リターンとともに社会的・環境的インパクトを生み出すことを目的とした投資手法です。再生可能エネルギーやサステナブル農業など、多岐にわたる分野で成功事例があります。

 

これからの時代、社会課題の解決と経済的リターンの両立を目指すインパクト投資はサステナブルな未来を築くための有力な手段となります。ぜひ、小さな一歩から未来の投資を考えてみてはいかがでしょうか。

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