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ザンビアはアフリカの中のSDGs先進国!問題や取り組みを解説

Wednesday, 01 January 2025

アフリカ大陸の南部、標高1,000〜1,300mに位置するザンビアは、国土の大部分が高原で鉱物資源に恵まれた国です。

一方で経済を支える社会インフラの整備が遅れているため、都市部と農村部で格差が広がるなど多くの問題を抱えています。こうした背景から、ザンビアはSDGsの取り組みに積極的です。

今回は「SDGs達成のための、各国の取り組み」をテーマに、ザンビアが抱える問題やSDGsの取り組みについて解説します。

ザンビアが抱えるさまざまな問題 

ザンビアは経済的・社会的な問題に加え環境問題など、多くの課題を抱えています。具体的にどのような問題が生じているのか、確認していきましょう。

 

<経済の不安定さ> 

ザンビアは豊富な鉱物資源を持ち、世界有数の銅の産出量を誇る国です。しかし、銅鉱業に依存する経済構造であることから、国の経済は世界的な銅の価格変動によって大きく左右されます。

 

これによって、農業や観光業など他分野の発展が遅れているほか、経済の不安定性による債務問題などが課題となっています。

 

また、ザンビアの通貨価値が度々下落し、インフレを引き起こしている点も問題のひとつです。

 

<貧困率と失業率の高さ> 

ザンビアは貧困率が高く、特に農村部では多くの人々が貧困状態にあります。就業人口の約7割が農業を営んでおり、そのほとんどが小規模農園です。小規模であるため生産量が少ないことも課題にあります。

 

また、農村部の若者の失業率が高く、教育や医療へのアクセスが限られてしまうことで社会的な格差が広がっています。

 

<健康問題>

ザンビアでは、医療インフラの不十分さや病気の蔓延によって、深刻な健康問題を抱えています。特に若年層の感染率が高いHIVや、マラリア、結核、コレラといった感染症も、貧困層で衛生環境が不十分であるために、感染リスクが高くなっています。

 

また、栄養失調に苦しむ子どもたちも多く、成長や発達に深刻な影響を及ぼしている点も重大な問題です。

 

<教育の質や低い就学率>

ザンビアの教育システムは、資金不足やインフラの問題により、質の高い教育を受けることが困難な状況にあります。多くの子どもが学校に通えず、特に女性の就学率は低い傾向です。

 

また、農村部では経済的な理由や長距離通学の問題から教育を受けられない子どもが多くいます。さらに、教師や教材の不足によって教育の質が低くなるなど、学習環境が整っていないことも課題です。

 

質の高い教育を受けられないことが、若者の失業率の要因にもなっています。

 

<ジェンダー格差の問題>

ザンビアでは男女間の格差問題が、依然として深刻です。特に農村部では、女性の教育機会が限られており、早期結婚や妊娠が一般的になっています。

 

女性は弱い立場に置かれることが多く、労働市場においても男性に比べて不利な状況です。ジェンダー格差の問題を解決するためには、教育機会の改善や法的支援が必要といえます。

ザンビア政府が主導するSDGsの取り組み

経済、貧困、教育、格差などさまざまな課題を解決し、持続可能な社会を築くため、ザンビアではSDGs達成に向けた取り組みを熱心に行っています。

 

政府がSDGsを国家開発計画に組み込み、経済、社会、環境の各分野で具体的な行動を進めているのが特徴です。ここでは政府が主導するSDGsの代表的な取り組みを見ていきましょう。

 

<貧困撲滅に向けた「社会保護プログラム」や「農村開発プロジェクト」> 

ザンビアでは高い貧困率に直面しており、特に農村部での貧困が深刻です。政府は貧困撲滅に向けて「社会保護プログラム」を実施しています。これは、社会的に弱い立場にある人々を対象に、現金給付や食糧支援を提供することで、貧困層の生活水準を向上させるという取り組みです。

 

また「農村開発プロジェクト」ではザンビア政府と国際開発パートナーが共同で実施し、農村部でのインフラ改善や農業技術の向上、雇用の創出を支援し、貧困削減を目指しています。

 

さらに「農業気候適応プロジェクト」として、乾燥や干ばつに強い作物の導入や土壌保全技術のトレーニングを行い、気候変動の影響を軽減し食料生産の安定化を図っています。

 

(参考:https://www.povertist.com/ja/zambia-social-cash-transfer-sct/

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/zambia/pdfs/kn06_03.pdf)

 

<飢餓ゼロを目指す「食料安全保障向上プロジェクト」や「学校給食プログラム」> 

ザンビアの農村部における食料不足や栄養不足の課題を解決するために「食料安全保障向上のための食用作物多様化支援プロジェクト」が行われています。

 

ザンビアの小規模農家ではメイズ(トウモロコシ)に極端に偏った生産構造が定着しているため、メイズが不作になると国全体が食料不足に陥るリスクが高いのです。

 

そこでメイズに代わるサツマイモやキャッサバなどが栽培できるよう環境を整えたり栽培技術を伝えたりする取り組みが実施されています。

 

また、国連WFPの協力による「学校給食プログラム」では子どもたちに十分な栄養を提供し、教育への参加を促進するため、栄養価の高い学校給食が提供されています。

 

(参考:https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12020061.pdf

https://ja.wfp.org/stories/xuexiaogeishihaweilaihenozhongmaki)

 

上記以外にも、SDGs達成に向けた取り組みは以下のようなものがあります。

 

・健康と福祉の安定に向けた「HIV・AIDS対策」や母子保健プログラム

・清潔な水へのアクセスと衛生環境が向上するための設備改善

・ジェンダー平等に向けた女性のエンパワーメントや暴力の撲滅

 

(参考:https://www.jica.go.jp/overseas/zambia/index.html

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100713610.pdf

https://www.joicfp.or.jp/jpn/2022/03/11/50434/)

SDGs達成には国際的な支援が不可欠!ザンビアの問題に目を向けよう 

貧困や健康、教育の課題など多くの問題を抱えるザンビアがSDGsを達成するには、国際的な協力が不可欠です。

 

誰一人取り残されない持続可能な社会を築くためにも、世界の状況に目を向け、自分にできることは何か考え、行動していきましょう。

 

あわせて読みたい: SDGsはいつから始まった?誕生までの歴史的背景を解説

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