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SDGs達成に向けた武蔵野市の取り組み|5つの環境方針も解説

Wednesday, 29 January 2025

東京で住みたい街ランキング1位の吉祥寺を含む武蔵野市は、利便性の良い商業地と緑豊かな自然が共存する、魅力ある都市です。

武蔵野市はゼロカーボンシティー(脱炭素社会)を目指し、SDGsに関する独自の取り組みを行っています。

今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、武蔵野市が掲げる5つの方針やSDGsの取り組みを解説します。

武蔵野市が掲げる5つの環境方針

武蔵野市は、温暖化やエネルギー、生物多様性など環境に関するさまざまな課題を抱えています。解決するためには行政だけでなく市民や市民団体、事業者などが協力し、取り組みを進めることが重要と考えています。

 

そこで環境問題を多様な主体につなげ、環境の輪や取り組みを世界にひろげ、取り組みによって築いたまちを次世代に引き継ぐことが、市の役割であるとし、「つなげる、ひろげる、ひきつぐ 環境都市むさしの」を環境施策の基本理念に掲げました。

 

施策には、以下の5つの環境方針が提示されています。

 

環境方針1 (地球温暖化・エネルギー):地球温暖化と向き合いゼロカーボンシティーを目指す

環境方針2 (廃棄物):ごみの新たな価値を見出しながら、循環型社会を推進

環境方針3 (自然環境):武蔵野らしさを大切に、人と自然が調和したまちを目指す

環境方針4 (都市環境):環境に優しい都市基盤のリニューアルを推進

環境方針5 (公害・災害):安心・安全で快適なまちづくりのために、公害・災害対策を推進

 

武蔵野市では、温暖化対策として温室効果ガスを抑える緩和策だけでなく、気候変動の中生き抜いていくための適応策も重要であると考えています。

 

また、環境方針のすべての施策において、市民一人ひとりが環境の当事者であるとし、行動や意識の変容を促す環境啓発を推進しています。

 

(参考:https://www.city.musashino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/029/672/6_3syou.pdf)

SDGs達成に向けた武蔵野市の取り組み  

武蔵野市では、前述した5つの環境方針に基づき、温暖化やエネルギー、廃棄物の循環利用や森林保全など、SDGsに関するさまざまな課題に取り組んでいます。

 

ここからは、SDGs達成に向けた武蔵野市の取り組み事例を見ていきましょう。

 

<武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクト>

武蔵野市では、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量削減に向けて「エネルギー地産地消プロジェクト」に取り組んでいます。

 

市で排出されているCO2排出量の95%以上はエネルギーの利用によるものであるとし、太陽光発電の導入やエネルギー消費効率の良いLED照明の導入など複数の事業を組み合わせ、年間約1,000トンのCO2排出量削減を目指しています。

 

(参考:https://www.city.musashino.lg.jp/gomi_kankyo/shoene_eco/oshirase/1022443.html)

 

<ごみをエネルギーに変換できる施設「武蔵野クリーンセンター」の活用> 

「エネルギー地産地消プロジェクト」の一環でもあるのが、ごみをエネルギーに変換できる施設「武蔵野クリーンセンター」の活用です。この施設は、市が運営する最先端のごみ処理施設であるとともに、ごみ発電も行うことができます。

 

ごみの焼却時に発生する熱を蒸気に変え、タービンを回転させることで発電し、新たなエネルギーが生まれるという仕組みです。

 

ごみ発電はCO2を発生させずに、年間1,300万kwhほどの電気をつくりだしており、市役所や市内の小中学校、周辺の公共施設などに供給されています。

 

1,300万kwhは、一般家庭が年間に消費する電力に換算した場合の約4,000世帯分です。ごみ発電は、エネルギーの地産地消に貢献するとともに、廃棄物の新たな価値を見出す循環型社会を実現しています。

 

(参考:https://www.city.musashino.lg.jp/gomi_kankyo/shoene_eco/oshirase/1022443.html)

 

<公共施設でのエネルギーの見える化> 

武蔵野市は、公共施設におけるエネルギーの見える化に取り組んでいます。見える化とは、電力使用量を視覚的に把握できるように、パソコンやモニター画面などに数値やグラフで表示させることです。

 

例えば、武蔵野市民文化会館では、大きな建物で使われる電力を、どの場所でどれくらい使われているかを把握できるBEMS(ベムス)」というシステムを導入しています。

 

また、武蔵野市民文化会館にはガスから電気と熱を取り出して利用するガスコージェネレーションシステムや、太陽熱を集める太陽熱集熱器も設置しており、これらでつくられた熱や電力もBEMSで管理できる仕組みになっています。また、市は家庭でのエネルギー使用量が見える化できるシステムHEMS(ヘムス)」の導入を推進中です。

 

エネルギーの見える化は消費電力がひと目で確認でき、省エネや環境意識への啓発につながっています。

 

(参考:https://www.city.musashino.lg.jp/gomi_kankyo/shoene_eco/oshirase/1026071.html)

 

<東京の森林を守る取り組み> 

武蔵野市では東京の森林を守る取り組みとして、「二俣尾・武蔵野市民の森事業」を行っています。2024年に始まった事業で、森林保全や自然を身近に感じられるさまざまなイベントや講座を実施中です。

 

例えば、小中学生を対象とした森林体験教室やハイキングを通した自然・動植物の観察会などがあります。

 

また、近年深刻化しているシカ食害による森林の裸地化を防ぐため、植樹を行うなど森林整備にも取り組んでいます。

 

(参考:https://www.city.musashino.lg.jp/gomi_kankyo/midori_koen/shisaku/1005023.html)

SDGs達成につながるエネルギーの地産地消を実現する武蔵野市に注目 

武蔵野市は地球温暖化と向き合い、ゼロカーボンシティーを目指して、エネルギーの地産地消や循環型社会に向けて取り組んでいます。

 

持続可能な社会を目指すSDGsに大きく貢献しているといえるでしょう。商業地が充実したまちでありながら、森林や自然を守る活動に熱心なところも参考にすべき点です。

 

一人ひとりが環境の当事者であるという意識を持ち行動する、武蔵野市の取り組みに注目し、環境意識を高めていきましょう。

 

あわせて読みたい: SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」日本の現状と課題

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