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SDGsを推進する相模原市の取り組み|気候非常事態宣言も解説

Friday, 31 January 2025

神奈川県の北部に位置する相模原市は、山や川、湖など自然豊かな環境でありながら、多様な都市機能も持ち合わせる、住みやすいまちです。

環境への意識が高く、政令都市で初めて気候非常事態宣言を表明するなど、SDGsの取り組みにも意欲的に取り組んでいます。

今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、相模原市におけるSDGsの取り組みを解説します。

政令都市初の「気候非常事態宣言」を表明した相模原市

地球温暖化による気候変動の影響によって、集中豪雨や猛暑など日本国内でもさまざまな影響が生じています。相模原市は、令和元年10月の東日本台風において、津久井地域を中心に多数の土砂災害が発生し、8人もの命が奪われるかつてない規模の被害に見舞われました。

 

この経験から、気候変動がもたらす影響は誰もが直面する危機であるという認識を市全体で共有し、具体的行動を促進する必要があると考え、市は令和2年に「さがみはら気候非常事態宣言」を表明しました。

 

「気候非常事態宣言」は、2016年12月にオーストラリアのデアビン市が最初に宣言し、その後世界各地の国や自治体が表明していますが、相模原市は政令都市初の宣言になります。

 

さがみはら気候非常事態宣言では、気候危機への認識を共有するとともに、温室効果ガスの排出削減や、集中豪雨などの自然災害、猛暑による健康被害などに対する具体策に、市が一丸となって取り組みを推進する必要があると呼びかけています。

 

(参考:https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026766/seisaku/1020997/1021053.html)

相模原市におけるSDGsの取り組みをチェック 

相模原市は気候非常事態宣言の中で、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に向けて、気候変動の影響に強く、しなやかに対応できるまちづくりをするとともに温暖化対策を推進していくと宣言しています。

 

市全体が協力し合い、SDGs達成に向けてさまざまな取り組みを推進中です。ここからは、相模原市におけるSDGsの取り組みをチェックしていきましょう。

 

<さがみはらSDGs推進自販機の設置> 

相模原市では「さがみはらSDGs推進自販機」を設置しています。この自販機は、飲み物を購入すると売り上げの一部が、市のSDGs推進事業に寄付されるという仕組みです。

 

飲み物の料金は一般的な料金と変わらず、設置した事業者などが売り上げの一部を寄付するため、普通に飲み物を購入するだけでSDGsの推進に貢献できます。

 

企業や工場、市役所や公園など市内各所に設置されており、誰でも気軽にSDGs活動ができるのがポイントです。

 

(参考:https://sdgs.city.sagamihara.kanagawa.jp/sdgsvendingmachine/)

 

<容器を堆肥化させ野菜を生産する、循環型社会を実践> 

相模原市では、市と企業が連携し「容器を堆肥化させて野菜を生産し、循環型社会を実践する」というプロジェクトが行われています。

 

市役所やイベント会場などで100%植物由来原料の容器を使ったお弁当を販売し、食べ終わったあとの容器を回収するための専用ボックスを設置しました。

 

そして有機肥料を生産する企業に回収容器を持ち込んで堆肥化を依頼し、2~3カ月経って完成した堆肥を農家へ届け、堆肥を使ってジャガイモを生産しました。

 

収穫したジャガイモは弁当の具材として使い、再びSDGs弁当として市役所などで販売されるという流れです。SDGs弁当の容器はもちろん、100%植物由来原料の容器を使用しているため、再び回収し堆肥化できます。

 

市と複数の企業が協力し合って実現したプロジェクトは、ごみの出ない循環型社会の可能性を示しました。

 

(参考:https://sdgs.city.sagamihara.kanagawa.jp/circulareconomiy/)

 

<SDGs活動を推進するアプリ「まちのコイン」の相模原市版「すもー」>

相模原市ではSDGsの活動を推進するスマートフォンアプリ「まちのコイン」の相模原市版「すもー」のサービスを提供しています。

 

まちのコインとは、コミュニティー通貨(地域通貨)のことで、地域内外の人とのつながりづくりを目的としたサービスです。

 

SDGsに関する活動やお店のちょっとしたお手伝いをすることで、相模原市の地域通貨「すもー」がもらえて、もらった「すもー」はお店やまちの施設、イベントなどが用意した「特別な体験」として使えます。

 

例えば、まちのごみ拾いに参加すると「100すもー」もらえたり、パン屋さんが提供する賞味期限間近のパンと「300すもー」で交換できたりします。市内各地に「すもー」の加盟スポットがあり、アプリ内のマップでも確認できるシステムです。

 

また、アプリでは体験がSDGsのどの目標に貢献しているのかを確認でき、地域のSDGsの取り組み具合を可視化できます。地域の仲間とつながり、特別な体験を通じてSDGs活動にも貢献できる画期的な取り組みです。

 

(参考:https://sdgs.city.sagamihara.kanagawa.jp/sumostart/)

 

<学生服回収ボックスの設置でリユースを推進> 

相模原市では、市役所や区役所などの公共施設内に、学生服の回収ボックスを設置しています。回収された制服は、障害のある方向けの就労移行支援事業所でリフォームされ、「学生服リユースさんぽみち」(開店準備中)で安く販売されます。

 

廃棄衣類の削減や経済的に余裕がない家庭の負担軽減や、障害者の活躍の推進につながる取り組みです。

 

(参考:https://sdgs.city.sagamihara.kanagawa.jp/seihuku-box/)

相模原市は市民にわかりやすくSDGsを伝えて取り組みを前進! 

相模原市は気候危機を市全体で共有し、温暖化対策の取り組みを推進するために、「さがみはら気候非常事態宣言」をしたり、市民が参加しやすいSDGs活動を取り入れたりと、市が一丸となって取り組める仕組みが特徴です。

 

市全体で同じ意識を持ち、目的を明確にすることがSDGs活動を活性化するヒントといえるでしょう。ぜひ、相模原市を参考にSDGsに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

あわせて読みたい: SDGsの達成に向けて子どもができること|安心できる未来へ

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