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SDGs達成をリードする練馬区の取り組み|主な6つの施策とは?
Monday, 27 January 2025
練馬区では区民の暮らしをより豊かなものにするため、「みどりの風吹くまちビジョン」を策定し、戦略計画に取り組んできました。現在は「第3次みどりの風吹くまちビジョン」のアクションプランを基に、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを進めています。
今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、練馬区の取り組みを解説します。
「第3次みどりの風吹くまちビジョン」を基に進める練馬区のSDGs
練馬区は、平成27年3月に新たな区政運営の方向性と将来を見据えたまちづくりの戦略を示すために、「みどりの風吹くまちビジョン」を策定しました。
平成30年6月には区政をさらに進めるために、「暮らし・都市・区民参加と協働」の3つからなる「グランドデザイン構想」を策定し、区が目指す未来像を区民と共有しています。
また、グランドデザイン構想を実現するために、平成31年3月に第2次、令和5年12月には「第3次みどりの風吹くまちビジョン」が策定され、これには6つの施策と22の戦略計画が提示されています。現在、練馬区が取り組みを進めるSDGsの土台となるものです。
第3次みどりの風吹くまちビジョンの柱となる6つの施策は、以下の通りです。
1.子どもたちの笑顔輝くまち
2.高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
3.安心を支える福祉と医療のまち
4.安全・快適、みどりあふれるまち
5.いきいきと心豊かに暮らせるまち
6.区民とともに区政を進める
上記の施策には22のアクションプランがあり、これまでの政策を確実に継続・発展させ、環境やスポーツ、文化、都市インフラなどの施策に力を入れていくとしています。
(参考:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/keikaku/vision3/vision3rd_soan.files/part16.pdf)
練馬区におけるSDGsの取り組み
練馬区はこれまでも少子高齢化や人口減少などの社会の課題と向き合い、自治体を先導する取り組みを行ってきました。全国初となった区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」の創設も、そのひとつです。
ここからは、練馬区におけるSDGsの取り組みを見ていきましょう。
<保育定員数を拡大し、待機児童ゼロを継続>
練馬区では、子どもたちの笑顔輝くまちを目指して、保育所の待機児童ゼロと維持を継続しています。
平成26年からの10年間で全国トップレベルともいえる、約9,000人の定員拡大を実現したことで、令和3年度に待機児童ゼロを達成し、4年間継続しています。
また、幼稚園の機能を持ちながら長時間預かり可能な「練馬こども園」の拡充など、多様化する子育てサービスのニーズに応える取り組みを展開中です。
(参考:
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/r6/r604/20240424.files/20240424.pdf)
<都と共同で虐待対応拠点となる児童相談所を設置>
練馬区では都内初の都区共同の虐待対応拠点となる、「東京都児童相談所」を設置しました。子ども家庭支援センターと児童相談所を同一施設内に設置することで、支援が必要な家庭を早期に把握し、迅速かつ的確な対応につなげるとしています。
各家庭の状況に応じて適切に対応し、虐待の未然防止や重篤化の防止を図る取り組みです。
(参考:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/kuho/backnumber/2024/20240601.files/page6-7.pdf)
<「高齢者みんな健康プロジェクト」の展開と施設の拡大>
高齢者の健康を支援するため、練馬区では「高齢者みんな健康プロジェクト」を展開しています。
健診結果や病院の受診結果、介護保険利用結果など区が保有するデータを活用し、機能低下の恐れがあるリスクの高い後期高齢者を抽出したうえで、「高齢者保健指導専門員」が個別訪問を行い、栄養講座への参加や医療の受診を案内するなど、継続的に支援するというものです。
また練馬区では、介護保険施設などの整備を実施しており、施設数は都内最多となっています。
(参考:https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/koreisha/kenko/ko-mi-ke-project.html)
<「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」の展開>
練馬区では、ひとり親家庭を対象とした、「生活・就労・子育て」の3つの支援を組み合わせて提供する「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」を実施しています。
平成29年にスタートし、23区内で最多の26事業を展開中です。令和4年に実施したニーズ調査の結果から、自立に向けた支援策をさらに充実させていくとしています。
例えば法律や家計に関する各相談ができる窓口や、生活支援のための費用助成、就労を応援するハローワーク連携支援や、子育て支援を目的とした訪問型学習支援などがあります。
(参考:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/jinken/hitorioya/ex.html)
<公園や幹線道路の整備よる、緑の増加>
練馬区の快適な都市生活を支える基盤である緑を守り、未来に残していくために、公園や幹線道路の整備を行い、緑化する取り組みを行っています。
四季の香りローズガーデンの拡充や大泉学園町希望が丘公園の開園など、特色ある公園の整備を進めた結果、区立公園の面積は平成26年から令和4年の間に約9ヘクタール増加し、108ヘクタールとなりました。これによって区内の緑は大幅に増加しています。
(参考:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/keikaku/vision3/vision3rd_soan.files/vision3rd-all.pdf)
<都市農地の保全や、農に親しめる機会や施設の拡充>
練馬区は、都心近郊でありながら農に触れられる環境を生かし、練馬区でしか体験できない都市農業の魅力を発信するほか、農地の保全に取り組んでいます。
特定生産緑地制度の創設によって、対象の95%を超える農地が今後も営農できることになりました。また、区民が農業体験できる施設が15カ所増えるなど、農に親しめる機会や施設の拡充を実現しています。
SDGs達成を目指しリードする練馬区の取り組みをヒントにしよう!
練馬区は子どもたちの笑顔や高齢者の健康を守り、安心で快適な緑あふれる、いきいきと心豊かに暮らせるまちを目指し、SDGsに貢献しています。全国の自治体を先導する練馬区の取り組みをヒントに、SDGsの活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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