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サステナブルなマスクが海を守る?マスク需要増加で起こる海洋汚染
Friday, 28 April 2023
そこで登場したのが、人や環境にやさしいサステナブルなマスク。今回はマスクの需要が増えたことによって起きている海洋汚染問題や、海を守るために私たちができることを解説します!
2020年、海に流出した使い捨てマスクは約15億6,000万枚
環境保護団体の推計によると、2020年、世界では約520億枚のマスクが生産され、そのうちの3%、約15億6,000万枚がごみとして海に流出したといいます。
街を歩いていて、道ばたにマスクが落ちているのを見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。マスクは風に飛ばされ川へ落ち、やがて海に流れます。
不織布の使い捨てマスクは紙素材だと思われがちですが、主な原料はプラスチックです。海洋プラスチック問題が深刻化している中、プラスチック製の使い捨てマスクが大量に流出し、海洋汚染を引き起こしているのです。
このまま海洋プラスチックが増え続ければ、2050年には海洋プラスチックが魚類よりも多くなると報告されています。
不織布のマスクが自然分解されるまで何年かかる?
不織布のマスクは、ポリエステルやポリウレタン、ポリエチレンなどのプラスチック素材を使用しているため、自然分解されるまでに約450年かかるといわれています。
プラスチック製のマスクが大量に、長い年月に渡って海を漂えば、海の生態系や環境に悪影響を及ぼすことは容易に想像できるでしょう。自然分解されるまでの間に、マイクロプラスチックとなって魚の体に入り込んでしまう可能性もあります。
何気なく着用している使い捨てマスクですが、自然分解されるまで長い年月を要するという事実を知っておくことが大切です。
マスクによる海洋汚染を防ぐためにできること
マスクの需要が増えたことによって発生している海洋汚染問題を防ぐために、私たちにもできることがあります。それは環境負荷の少ない、サステナブルなマスクを選ぶことです。
自然分解できるマスクを選ぶ
サステナブルなマスクの中には、自然分解できるものが登場しています。これまで不織布の使い捨てマスクは、石油由来のプラスチックを原料としたものが主流でしたが、サステナブルなマスクでは不織布に植物由来の原料を99%配合することに成功しています。
植物由来の原料はCO2の排出量を抑えたエコ素材であるため、製造時の環境負荷を軽減しているのも良い点です。
自然分解されやすい素材のため、万が一外れて飛んでしまったとしても土に還り、微生物によって水と二酸化炭素に分解されます。
一般的な不織布マスクは自然分解されるまでに約450年かかるといわれていますが、植物由来の原料99%の不織布マスクは約3カ月で自然分解されます。
また、素肌に近い弱酸性で肌にやさしいのも特徴です。自然分解できるサステナブルなマスクを選ぶことは、マスクによる海洋汚染や環境汚染を防ぐことにつながります。
繰り返し使えるマスクを選ぶ
サステナブルなマスクの中には、50回以上洗えて繰り返し使える耐久性に優れたマスクがあります。リサイクル可能なポリエステル・ポリウレタンと天然素材のキュプラを原料としたマスクです。
キュプラは本来廃棄されるはずの綿の表皮で、資源を循環利用しています。再生繊維でありながら肌ざわりの良さを実現しており、着け心地も抜群。天然素材であるため、廃棄後は自然分解されるのもポイントです。
50回以上繰り返し使えるため、環境にやさしいだけでなくお財布にもやさしいといえるでしょう。環境を守りながら節約もできますよ。
サステナブルなマスクを選んで感染症と海洋汚染を防ごう!
不織布のマスクは感染症を防ぐのにも効果的とされているため、毎日のように使用している人が多いことでしょう。しかし、今使用しているマスクは自然分解されにくいプラスチック原料でできているものかもしれません。
海洋汚染問題を防ぐには、マスクのポイ捨てをしないことはもちろん、使用するマスクを環境負荷の少ない自然分解しやすいものにするのも対策方法のひとつです。
これからマスクを選ぶ際には、ぜひサステナブルなマスクを選択肢のひとつにしてみてはいかがでしょうか。環境と人にやさしいマスクで、感染症と海洋汚染を防いでいきましょう!
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