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神戸に広がるUrban Farming|街で必要とされる理由とは
Wednesday, 16 October 2024
神戸ではなぜUrban Farmingが推進されているのでしょうか?今回は神戸の街でUrban Farmingが必要とされる理由や、実施されている場所や活動内容を解説します。
神戸の都市部で広がるUrban Farming
都市部の空きスペースを利用して野菜や果物を育てるUrban Farmingは、コロナ禍により急速に注目度が高まりました。神戸の都市部では、Urban Farmingを通じてさまざまなイベントやプロジェクトが進んでいます。
以前開催されたイベントの中には、神戸でUrban Farmingを実践している人や団体に出会い、現地を訪れるツアーなども行われました。
また、農業に触れる人を増やすことを目的としたコミュニティーファームの運営やUrban Farmingが行われている場所がわかるマップの作成なども実施。
新しいアイデアを実行することによって、神戸の都市部にUrban Farmingの輪が広がっています。
(参照:食と神戸)
(参照:アーバンファーミングマップ。)
神戸の街でUrban Farmingが必要とされる理由
神戸の街でUrban Farmingが必要とされる理由は、主に以下の4つです。
・空き家、空き地の問題
・人とのつながり
・子どもの食育の場や健康促進
・感染症の拡大や自然災害による社会変化への対応
それぞれ詳しく解説していきます。
空き家・空き地の問題
神戸の都市部では空き家や空き地が増加しており、平成30年の「住宅・土地統計調査」によると神戸市内の空き家件数は、10万戸を上回るといわれています。
空き家増加の背景にあるのが、人口減少や高齢化、核家族化の進行などです。適切に管理されず放置された空き家は、老朽化によって屋根や壁が崩れたり、倒壊して通行人に被害を及ぼしたりなどの危険性があります。
また、不審者の侵入や動物の住み着き、ごみの投棄、害虫の発生などさまざまな問題が生じる可能性があるのです。
これらの問題は街の風景に影響するだけでなく、治安の低下や火災のリスクが高まるなど、地域住民の安全性にも関わってきます。
空き家を解体し、土地をUrban Farmingに活用することで、土地の有効活用が図られ、地域の防犯性や景観が向上するというわけです。
(参照:神戸市の空き家等の状況とこれまでの取組み)
人とのつながり
人口減少や高齢化が進む神戸の都市部では、人とのつながりが希薄になりがちです。人とのつながりは不安や孤独感を軽減させ、精神的な支えやストレスを軽減し、都市生活の質を向上させる役割があります。
Urban Farmingを通じた活動は、住民同士の交流や協力を促進し、地域コミュニティの活性化につながります。都市生活のより良い人間関係を作る場としても、Urban Farmingは貢献しているのです。
子どもの食育の場や健康促進
神戸の都市部に住む子どもたちの食育の場としても、Urban Farmingが必要とされています。Urban Farmingを通じて農業や自然について学ぶ機会が生まれ、食に対する興味や安全性、健康意識や環境問題への関心を高められるからです。
また、実際に土に触れ、農業を体験することで、身体活動にもつながり健康促進にも役立ちます。
(参照:[参加者募集] まちの中で野菜を育てる。神戸のアーバンファームツアーを開催します。)
感染症の拡大や自然災害による社会変化への対応
この20年程でリーマンショック、東日本大震災、感染症の拡大や集中豪雨といった自然災害など、さまざまな社会変化が起きています。
こうした社会変化が大きい現代で、食べ物の供給に対する意識が高まり、自給自足の重要性が見直されています。
神戸の都市部においても「自分が食べるものは自分で育ててみよう」という人が増えつつある傾向です。
:神戸のUrban Farmingはどんな場所で実施されている?
神戸の都市部で実施されているUrban Farmingは、少しめずらしい場所で行われているのが特徴です。一体どんな場所にある畑で、どんな活動をしているのか、神戸におけるUrban Farmingの一例を見ていきましょう。
ホテルの屋上花壇を再生したファーム
神戸の六甲アイランドにあるシェラトンホテルの屋上花壇を再生し、コミュニティーファームとして活用した事例です。
地元農家と共同で運営を行い、Urban Farmingを通じて学びやコミュニティーづくり、食やライフスタイルを考える機会を生み出すことを目的に活動しています。
過去には麦の栽培プロジェクトも開催。季節ごとに行われるファーマーズマーケットのイベントも人気です。
(参照:新着情報 | 【公式】神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ)
異人館が立ち並ぶ、住宅街の路地裏にあるファーム
異人館が立ち並ぶ、神戸北野町周辺の住宅街の路地裏の空き地を有効活用したファームがあります。もともとは、友人同士のシェアファームとして使われていましたが、現在では地域の料理人たちが農業を学ぶ場になっています。
商店街の空き区画を利用したプランター農園
商店街の空き区画を利用したUrban Farmingがあります。畑ではなく、プランター型の農園です。地域の有志メンバーによって運営され、地域住民が自由に参加できる仕組みになっています。
農作業や月に数回行われるイベントを通して、人が人を呼び、地域交流の場が生まれています。
(参照:灘中央市場 いちばたけ)
神戸のUrban Farmingは街の課題解決につながる!
Urban Farmingは、神戸が抱える空き家問題、人口減少による人間関係の希薄化などの課題解決につながります。
また、子どもの食育の場や健康促進、自然災害などで生じる社会変化の対応策になり、持続可能な暮らしに役立ちます。Urban Farmingは今後も神戸における多くの問題を解決し、持続可能な街づくりに貢献していくことでしょう。
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