BLOG -Circular Economy and Environment
気候変動の影響でコアラが絶滅の危機に!激減した理由とは
Thursday, 21 September 2023
しかし、気候変動による異常気象などの影響で生息地が奪われ、現在コアラは絶滅の危機に追い込まれているのです。そこで今回は、気候変動による影響で絶滅危機にさらされているコアラの現状を解説します!
コアラが減少している理由
コアラが減少している理由として、気候変動による異常気象が挙げられます。気候変動の影響で干ばつや熱波などが起こり、コアラが住みづらい環境になっているのです。
コアラが好んで食べるユーカリは乾燥地帯では育たないため、エサが手に入れられず、十分な栄養がとれません。また、干ばつによって水不足となり、水を飲むこともままならない状況だといわれています。
加えて、開発によって生息地が奪われていることもコアラが減少している理由のひとつです。宅地造成や鉱山開発を目的に森林が伐採され、コアラの住む場所が失われています。そのストレスで、病気にかかりやすくなるコアラも少なくありません。
さらに、キツネやオオカミに襲われたり、交通事故にあったりして命を落とすコアラもいるのが現状です。
(参照:コアラの絶滅危機がより深刻に!)
さらに気候変動による森林火災でコアラが激減
さらに追い打ちをかけるように、コアラが激減するきっかけとなった出来事がありました。それは大規模な森林火災です。
2019年9月〜2020年3月に240日間にもおよぶ森林火災が起こり、約17万平方キロが焼失したとされています。
オーストラリアの中でも特にコアラの生息数が多い地域での被害が大きく、6万頭ほどのコアラが命を落としたと考えられています。
森林火災も一因となり、この3年間でコアラの生息数は3割減少したとも推計されています。
(参照:森林火災、干ばつ、熱波・・環境激変でコアラの3分の1が死亡、絶滅危惧種に?)
(参照:コアラについて その生態と、絶滅の恐れが高い理由)
なぜ大規模な森林火災が起きてしまったのか?
では、なぜこのような大規模な森林火災が起きてしまったのでしょう。それは、気候変動による干ばつや熱波が影響しています。
内陸部では過去10年間、雨がほぼ降らない状態が続いて森が枯れていたといいます。その乾燥しきった状態の森に、頻繁に起こった落雷で火災が発生してしまったのです。
ここ数十年で大規模な森林火災が発生する確率は上がっており、気候変動の影響で異常な暑さは2倍になると予測されています。
絶滅危惧種に選定されたコアラ。減少を防ぐためには?
森林火災によるコアラの激減もあり、専門家はこのままいくと2050年にはニューサウスウェールズ州のコアラが絶滅する可能性があると警鐘を鳴らしています。
そんな中、コアラ絶滅の危機が高まっているとして、2022年2月にオーストラリア版レッドリストでコアラが「絶滅危惧種」に選定されました。
これはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストとは異なり、オーストラリアの環境・生物多様性保護法(EBPC法)により選定したもので、自国の野生生物の危機をより詳しく表したものです。
現在、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、首都特別地域の3地域に生息するコアラが絶滅危惧種として選定されています。これによって、森林の回復を含めた環境保全のための資金拠出が決定し、コアラの保護活動に向けた動きに注目が高まっています。
減少し続けるコアラを守るために最も重要なのは、生息地である森林の保全です。コアラがかろうじて生き残るのではなく、のびのびと安心して生きられる環境をつくることが求められています。
(参照:コアラの絶滅危機がより深刻に!)
コアラを守るために私たちができること
コアラを苦しめている気候変動は、人間の活動による温室効果ガスの排出が大きな原因です。気候変動の影響を最小限に抑えるためには、温室効果ガス排出量を削減し、地球温暖化を食い止めなければなりません。
そのために私たちができることは、普段の生活の中で二酸化炭素の排出を減らすことです。節電したり、プラスチック製品の使用を控えたりするのも良いでしょう。
小さな取り組みではありますが、一人ひとりが行うことで大きな成果につながります。コアラが緑豊かな森の中でイキイキと暮らし続けられるように、自分にできることに取り組んでいきましょう。
あわせて読みたい: 気候変動でミツバチが激減!?世界で起きている現象とは