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除草剤は環境に悪い?安全性が高いタイプの選び方や使い方
Thursday, 15 February 2024
そこで今回は除草剤が環境に悪いのかどうか、また安全性が高いとされる除草剤の選び方や使い方、注意点を解説します!
除草剤には大きく分けて3つの種類がある
除草剤には大きく分けて3つの種類があります。除草剤の種類によって除草の効果や使用に向いている場所が異なるため、それぞれの特徴と効果を確認していきましょう。
土壌処理剤(粒剤)
土壌処理剤は粒剤の除草剤で、長期間雑草を生えにくくする効果があります。その理由は、粒剤の成分が地表に残るからです。新芽や発芽の際に効果を発揮するため、草丈が20cm以上の伸びた草を枯らす効果は弱めなのが特徴です。
茎葉処理剤(液剤)
茎葉処理剤は液剤の除草剤で、伸びた雑草を素早く枯らす効果があります。散布した除草剤が茎や葉から吸収され、根に浸透していくことで枯れる仕組みです。
そのため持続期間は短い傾向があります。長く伸びた雑草をとにかく素早く枯らしたい人におすすめです。
ハイブリッドタイプ
土壌処理剤(粒剤)と茎葉処理剤(液剤)の2つの効果を兼ね備えたのが、ハイブリッドタイプの除草剤です。生えてる草を枯らしつつ、新たに生えてくる雑草を生えにくくしてくれます。除草剤を使う頻度を減らしたい人におすすめです。
除草剤は環境に悪い?
結論からお伝えしますと、日本で市販されている除草剤は環境や人体に影響はないといえます。
除草剤は農地に限らず、公共の施設や公園、道路や駐車場にも使用されており、安全性と環境負荷に重視して開発されているからです。そのため、適切な使い方で使う分には問題ないといえるでしょう。
ただし、植物を枯らす効果を持つため、人やペットの体内に入り込んでしまった場合には注意が必要です。また、農耕地用の除草剤は強過ぎるため、庭の手入れなどを目的で使う場合には、一般家庭用の除草剤を使うようにしましょう。
環境に優しい安全性が高い除草剤の選び方
より安全性や環境に優しいものを求めるなら、農薬登録がされているものや自然由来の成分を使っている除草剤がおすすめです。ここからは環境に優しい、安全性が高い除草剤の選び方としてポイントをお伝えします。
農林水産省による農薬登録がされているもの
環境や人への安全性が心配なら、農林水産省による農薬登録がされているものを選ぶと良いでしょう。有効成分の種類や含有量、除草効果や薬物への影響、人や動植物、土壌や水中への影響を農林水産省が厳しく審査してくれています。
ラベルに「農林水産省登録第○○○○号」と記載されているため、除草剤を選ぶ際にチェックしてみましょう。
植物由来のペラルゴン酸が含まれているもの
植物由来のぺラルゴン酸は人や環境に優しい成分です。トウモロコシやお茶、柑橘類に含まれる成分で、植物の細胞を破壊する性質を持ち除草効果を発揮します。土壌中で生物分解されるため、使用後も環境負荷をかけません。
除草成分に食酢が使われているもの
除草成分に食酢が使われているものも、人や環境に優しい除草剤です。お酢が持つ強い酸性成分が根に浸透し、葉や茎に入り込んで枯らす仕組みになっています。
お酢特有のツンとした香りがありますが、食品成分なので安心です。薄める手間もなく、そのまま使えるのも便利な点です。
除草剤の正しい使い方と注意点
環境に優しい除草剤でも、使用上の注意を良く読んで正しく使うことが大切です。ここでは除草剤の正しい使い方と注意点を確認しておきましょう。
農地や芝生には専用の除草剤が必須!
農地や畑の近くで使う場合には「農地専用」、芝生で使う場合には「芝生専用」の除草剤を使いましょう。農地は「農薬取締法」で専用のものしか使えないからです。
一方、芝生用は雑草だけに作用する成分が含まれています。芝生で使う場合は「芝生用」と記載されているものを選びましょう。
(参照:除草剤の販売・使用について)
散布する際には皮膚や目に付着しないように注意する
除草剤を散布する際には、長袖、長ズボン、帽子、手袋、サングラスやゴーグルなどをできるだけ身に着けて、皮膚や目に付着しないように対策しましょう。
周囲の環境に配慮する
自宅の庭や敷地内に除草剤を撒く際には、近隣など周囲の環境に配慮するのが重要です。除草剤による影響が出ないよう、気をつけて使うようにしましょう。においなどでトラブルにならないよう、あらかじめ声をかけておくのも良いかもしれません。
小さい子どもやペットの体に入らないように気をつける
小さいお子さんやペットがいるご家庭は、除草剤がついた草を触ったり口に入れたりしないよう注意が必要です。
体内に入ってしまうと健康を害する恐れがあるため、除草剤を散布する際には十分気をつけましょう。また、保管場所も小さなお子さんやペットの手が届かないところに置くようにしましょう。
急傾斜では使用しない
除草剤は急傾斜で使用しないのが鉄則です。なぜなら、除草剤が下の方へ流れてしまい、周囲の環境に迷惑をかけてしまうからです。
また、川や海に流れ出て水質汚染につながる可能性もあります。このような理由から、除草剤は急傾斜では使用しないようにしましょう。
安全で環境に優しい除草剤を選んで、正しく使おう!
市販で出回っている除草剤は安全性や環境負荷を重視して開発されています。ただし、目的や場所に応じた種類を選び、正しく使うのが大切です。
より安全性の高い除草剤を求めるなら、環境に優しい成分を選ぶと良いでしょう。除草剤は草むしりの手間を省いてくれる便利なアイテムです。注意事項を良く読んで、環境に優しい除草剤を正しく使いましょう。
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