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オーストラリアで人気のプラントベースフード!普及の背景と今後の展望
Friday, 11 April 2025

ビーガンだけに限らず、プラントベースフードの摂取量を増やし、動物性食品の消費を減らす動きが国全体で広がっています。それに伴い、革新的なプラントベースフードの開発や取り組みに消費者の関心が集められているのです。
今回は、オーストラリアでプラントベースフードの普及が進んでいる理由や、人気のプラントベースフード、企業の新たな取り組みや展望を解説します。
オーストラリアでプラントベースフードの普及が進んでいる理由
オーストラリアはもともとビーガン人口が多い国として知られています。一方でオーストラリア産の牛肉は「オージービーフ」と呼ばれ、世界最大級の牛肉輸出国としても有名です。
そんなオーストラリアでなぜプラントベースフードの普及が進んでいるのか、その理由を見ていきましょう。
<プラントベースフードに対する健康的なイメージ>
もともとプラントベースフードは、「ビーガン対応の食品」というイメージが強く持たれていました。
しかし、2021年3月に消費者団体が行った調査では「プラントベースフードは健康的」というイメージを持つオーストラリア人が、ほぼ半数という結果になっています。これにはプラントベースフードの摂取を増やし、動物性食品の消費を減らすことを推奨したメディアの影響が大きいと考えられています。
オーストラリア人の約8割は、肉も野菜も食べる雑食タイプでありながら、5人に1人が健康のために肉の摂取量を減らす意識を持っていることがわかりました。
近年のオーストラリアでは、ビーガンでなくてもプラントベースフードを食事に取り入れる人が増えているのです。
(参考:https://www.jc-press.com/?p=7426)
<革新的なプラントベースフードの開発>
オーストラリアでは、国内発のプラントベースフードの企業が誕生し、革新的な技術でさまざまなプラントベースフードが開発されています。栄養価が高く、肉本来に近い味わいが再現された製品も登場し、消費者の注目を集めています。
また、遺伝子組み換えの原料や保存料は使用しないなど、健康的な製品が多い点も需要が高まっている理由のひとつです。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000117410.html)
<プラントベース専門の大型スーパーもオープン>
2023年にはオーストラリアのシドニーに植物由来専門の食料雑貨店がオープンし、話題を呼んでいます。野菜や果物をはじめ、代替肉や代替乳製品、ベーカリーや菓子などすべて動物由来の食品不使用です。
種類豊富なプラントベース製品が手に入りやすい環境であることも、プラントベースフードの普及が進んでいる要因といえます。
<飲食店でのプラントベースメニューが充実>
買い物環境だけでなく、カフェやレストランでのプラントベースメニューが充実している点も重要なポイントです。
例えば、魚介類をメイン料理としたシーフードレストランでさえも、メイン料理としてプラントベースメニューを選べるお店もあります。
また、カフェチェーンやファーストフード店でも、代替肉を使用したカツカレーやハンバーガーなどが提供されています。
植物由来の食材でもボリュームがあり、食べ応えがある点も、プラントベースフードが人気の理由といえるでしょう。

オーストラリアで人気の一風変わったプラントベースフード
オーストラリアでは、ダイズを原料としたプラントベースミートや、アーモンドやオーツ麦を原料としたプラントベースミルクなどが人気ですが、一風変わったプラントベースフードにも注目が集まっています。どんな製品の人気が高いのか、見ていきましょう。
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<プラントベースフィッシュ>
サバを再現した、植物由来のプラントベースフィッシュがあります。主原料にダイズを使い、皮目はのりで再現しているのが特徴です。焼くことで皮の焼き目がリアルになり、本物のサバを食べている気分が味わえます。
<プラントベースベビーフード>
認定オーガニック食材を100%使用した、プラントベースのベビーフードがあります。
遺伝子組み換え原料不使用で、香料、着色料、保存料などの添加物は一切使用していません。
赤ちゃんに良質な栄養素が配合されており、生後4カ月から安心して与えられます。
<ココナッツヨーグルト>
オーストラリアには多数のプラントベースヨーグルトが販売されていますが、中でも人気が高いのはココナッツを主原料としたヨーグルトです。生きたヨーグルト菌とプロバイオティクスによって、乳製品不使用ながらも濃厚でクリーミーな味わいが楽しめます。
<プラントベースグミ>
動物由来のゼラチンを使用していないプラントベースグミです。人工的な着色料や甘味料、香料も不使用で、遺伝子組み換え作物も使用していないため体に優しく、安心して食べられます。
宗教上の理由やビーガンで動物由来のゼラチンを口にしない人にもおすすめです。

オーストラリア発のプラントベースフード企業の新たな取り組みと展望
オーストラリア発のプラントベースフード企業は新たな取り組みを進めています。
例えば、3Dプリンターを使用した植物由来のサーモンの開発です。エンドウマメやキノコを主原料としてオメガ3脂肪酸を含むアボカドなども使い、魚に匹敵する栄養価を目指しています。
プラントベースサーモンの切り身はすでに、オーストラリアやヨーロッパ各国で販売しており、今後は工程の自動化によって大量生産が実現することで価格の低下が期待できるとしています。

プラントベースフードはオーストラリアの食文化に溶け込みつつある
オーストラリアでは、プラントベースフードが特別な選択肢ではなく、一般的な食文化の一部として受け入れられつつあります。
スーパーや飲食店ではプラントベースフードの選択肢が増え、日常的に取り入れやすくなっています。
技術革新やコスト削減に向けた取り組みによって、今後さらに幅広い世代に浸透していくといえるでしょう。
