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バングラデシュにおけるSDGsの取り組み|最貧困からの脱出

Monday, 06 January 2025

バングラデシュはインドとミャンマーに国境を接する、南アジアの国です。バングラデシュはかつて「世界で最も貧困な国」と呼ばれていましたが、アパレル輸出国として急激に経済成長し、アジアで最後の新興国として期待されています。

しかしその一方で、格差問題や気候変動による自然災害など新たな問題が生じている状況です。

今回は「SDGs達成のための、各国の取り組み」をテーマに、バングラデシュにおけるSDGsの取り組みを解説します。

かつて世界で最も貧困であったバングラデシュ 

バングラデシュはかつて「世界最貧国」と呼ばれていました。その理由のひとつは、バングラデシュが気候変動の影響を受けやすいということです。

 

国内にはガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川の3つの大きな河川が流れており、これらの河川によって形成された三角州(デルタ地帯)が国土の3分の2を占めています。

 

国際河川の最下流に位置し、標高は6〜7m以下であることから、地理的に集中豪雨による洪水やサイクロン、竜巻などの水害が起こりやすいのが特徴です。農業従事者は水害で土地を失うと、収入を得ることができません。

 

また、家屋を失って別の場所に移り住んでも、再び自然災害が起こり貧困から抜け出せないという負の連鎖が起きやすい状況があります。

 

近年は縫製業やアパレル産業を中心に、急激な経済成長によって世界最貧国を脱したバングラデシュですが、国内で経済格差が広がっている点が課題です。

 

(参考:https://spaceshipearth.jp/bangladesh-poverty/

http://www.jiid.or.jp/files/04public/02ardec/ardec42/key_note6.htm)

バングラデシュにおけるSDGsの取り組みをチェック! 

バングラデシュでは、貧困や飢餓をなくす取り組みをはじめ、海や森林を守る活動など、SDGsに関するさまざまな取り組みを行っています。ここでは、バングラデシュにおけるSDGsの主な取り組みを見ていきましょう。

 

<農家の収入を増やし、貧困を削減>

国際NGOの支援を通じて、バングラデシュでは農家の収入を増やす取り組みを行っています。家畜飼育や縫製、手工芸品作りなどの小規模ビジネスを導入して、各家庭が農業以外の収入を得られるよう支援するという活動です。

 

家畜からとれる牛乳や卵はバングラデシュの子どもたちの貴重な栄養源としても役立っています。

 

また、母親たちに家庭菜園の方法や栄養のある食事の作り方を教える取り組みも行っています。SDGs1「貧困をなくそう」やSDGs2「飢餓をゼロに」に貢献する取り組みです。

 

(参考:https://www.worldvision.jp/news/works/asia/20180312.html)

 

<女性の能力強化の推進> 

バングラデシュではジェンダー平等の達成に向けて、女性の能力強化を推進する取り組みを行っています。とある企業では、フリーランスの美容サービス提供者と利用者をつなぐオンラインサービスを展開中です。

 

利用者はアプリから美容サービスを受けることができ、美容サービス提供者は、従来の3倍の顧客に出会い、約2倍の収益をあげているといいます。女性の就労支援や美容起業家の自立支援も担い、SDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」やSDGs8「働きがいも経済成長も」に貢献する取り組みです。

 

(参考:https://www.jica.go.jp/bangladesh/bangland/sdgs/sdg05.html)

 

<デジタルヘルスケアサービスの提供>

バングラデシュでは、次世代のヘルスケアの促進に向けたデジタルヘルスケアサービスの提供を行う企業の取り組みがあります。

 

アプリであらゆる医療機関のサービスを展開し、診察予約や入院、健康診断などを割引価格で提供しています。

 

国内の300ヵ所以上の病院や健康診断センターと連携し、2500名以上の提携専門医を見つけられるのも特徴です。全国民に対する医療サービスの構築を目指し、効率的に記録できる電子健康記録システムを取り入れることで、国民の健康意識を高めています。

 

すべての人が手頃な価格で医療サービスを受けられることを目的としており、SDGs2「すべての人に健康と福祉を」に貢献する取り組みです。

 

(参考:https://www.jica.go.jp/bangladesh/bangland/sdgs/sdg03-02.html)

 

<レンガ製造所の煙突から出る二酸化炭素排出量を削減>

バングラデシュでは、レンガ製造による大気汚染が問題視されてきました。レンガ製造所の煙突から、二酸化炭素や一酸化炭素、有害物質を含む黒い煙がモクモクと吐き出されているのです。そこで導入されたのが、環境に配慮してレンガを製造する方法です。

 

具体的には特別な技術を用いて生レンガと煙を融合して処理することで、二酸化炭素や一酸化炭素、有害物質などが排出されないとしています。

 

レンガ製造時に発生する二酸化炭素や有害物質を防ぎ、SDGs13「気候変動に具体的な対応策を」の達成に貢献しています。

 

(参考:https://www.jica.go.jp/bangladesh/bangland/sdgs/sdg13.html)

 

<生分解性の包装製品を生産・販売>

バングラデシュでは、海洋汚染の要因となるプラスチックとポリエチレンの使用を削減するために、生分解性の包装製品を生産・販売する取り組みを行っています。例えば衣料専用の包装製品は、植物由来のとうもろこしやデンプンから作られているのが特徴です。

 

プラスチックやポリエチレンに代わり、生分解性の包装製品にすることで、海の環境や海洋生物の保全を目指したSDGs「海の豊かさを守る」につながっています。

 

(参考:https://www.jica.go.jp/bangladesh/bangland/sdgs/sdg14.html)

SDGs達成に向けてバングラデシュの取り組みを応援しよう 

バングラデシュは経済成長が著しい一方で、新たな格差問題や気候変動による自然災害の問題などがあります。SDGsを達成するためには、他国からの支援も不可欠です。

 

日本にもバングラデシュの支援活動を行う団体や企業は多くあります。気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

あわせて読みたい: SDGsはいつから始まった?誕生までの歴史的背景を解説

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