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アップサイクルの家とは?空き家や廃材を生かした驚きの再生術
Tuesday, 14 May 2024
そんな中、空き家や廃材を生かした「アップサイクルの家」が話題になっています。
今回は、空き家や廃材を生かしたアップサイクルの家の事例や、廃棄物から生まれるアップサイクル家具も併せて解説します!
アップサイクルの家とは?
アップサイクルの家には、主に2つのタイプがあります。ひとつは「空き家をアップサイクルした家」。もうひとつは「廃材や古い道具を生かして建てるアップサイクルの家」です。
それぞれどのような特徴があるのか、事例と共に見ていきましょう。
空き家をアップサイクルした家
空き家をアップサイクルした家は、解体作業を行わず、既存の空間を生かしてデザインするのが特徴です。
例えば木造の天井や木枠などを残しながら、ふすまの障子にはカラー和紙を施すなどして、古き良き雰囲気と新しさが絶妙にマッチしたおしゃれな空間にアップサイクルした家があります。
新しく加える資材も、サステナブルに配慮しているところがポイント。また、家そのもののリノベーションだけでなく、家具や建材もリユースしたものやアップサイクルしたものを使用しています。
空き家を解体せずにアップサイクルすることで、家の解体時に発生する産業廃棄物や、解体時にかかる環境負荷を大幅に削減できます。加えて解体費用の節約にもなるのがメリットです。
廃材や古い道具を生かして建てるアップサイクルの家
廃材や古い道具を生かして建てる家も「アップサイクルの家」と呼ばれています。廃棄された建材や家具、ごみステーションから拾ってきたものを再利用して建てるのが特徴です。
例えばオーストラリアには95%リサイクル素材を使用した、移動式の小さなアップサイクルの家があります。新規で使用する素材は屋根のねじと、正面ドアのカギ、電気のインバータのみです。
他はすべてリサイクル素材で構成されており、つややかで温かみのある木材をメインに、トタン屋根などを使用し、昔懐かしいレトロな雰囲気に仕上げています。
観音開きのドアと窓に加え、断熱材も使用しているため、単なる廃材の家ではなく、機能性を兼ね備えた居心地の良い空間が生まれています。
また、なんといっても移動できるのがポイント。車輪付きで移動でき、庭に設置してゲストハウスとして利用するのもおすすめです。
さらに自動車でけん引すれば、キャンピングカーのようにも楽しめます。室内環境は快適なので、大自然の中でも活躍すること間違いなしのアップサイクルの家です。
アップサイクルの家にぴったり!廃材から生まれた家具たち
アップサイクルの家は建物だけでなく、室内に取り込む家具やインテリアなどもリユースやアップサイクルされたものにこだわっています。
ここでは、アップサイクルの家にぴったりの廃材から生まれたアップサイクル家具をご紹介します!
ドラム缶をアップサイクルしたレコード型のペンダントライト
廃棄されたドラム缶をレコード型に裁断し、ランプシェードにアップサイクルしたペンダントライトです。ドラム缶として使われていたときの文字列がそのまま残され、デザインのアクセントになっています。
下からでも文字列が見えるデザインで、ライトに照らされおしゃれ度もアップ。レコードのように薄くて平らに広がったフォルムなので、空間をスッキリ見せてくれるのもポイントです。
廃パレットと学校机から生まれたアップサイクルテーブル
貨物の流通で使われていた木製の廃パレットと、役目を終えた学校机から生まれたアップサイクルテーブルです。木製のパレットは細長くカットしたものを組み合わせ、ヘリンボーン柄にデザインされています。
傷や汚れはあえて残しており、ビンテージ感のある味わい深いテーブルに仕上がっている点も魅力です。また、学校机の脚部分にヘリンボーンのテーブルを組み合わせることで、どことなく懐かしさも感じさせる、デザイン性の高いローテーブルが完成しています。
解体車両の座席シートを再利用したアップサイクルソファ
電車の座席シートを再利用した、アップサイクルソファです。解体車両から座席シートを取り外し、比較的状態が良いシートを使用します。
グリーンカラーとオレンジカラーのシートは、乗客が座っていた部分にほどよい擦れが残っており、レトロ感を感じさせるデザインに。変わらない座り心地を家でも堪能できるアップサイクルソファです。
今後も増えていく可能性大!アップサイクルの家に注目してみよう
アップサイクルの家には、空き家をアップサイクルしたパターンと、廃材や古い道具を生かして建てるパターンがあります。空き家の場合は解体せず、既存の空間を生かしながらサステナブルに配慮した新しい素材を取り入れるのが特徴です。
また、廃材から建てた家はレトロ感がありつつも快適に過ごせるよう工夫されています。アップサイクルの家具を取り入れることで、さらに資源の循環を叶える家が完成するでしょう。
解体時に発生する産業廃棄物の削減に向けて、今後もアップサイクルの家は増えていくと考えられます。ぜひ、驚きと遊び心がいっぱいのアップサイクルの家に注目してみてはいかがでしょうか。
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