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培養肉ってどんな肉?メリットや現状、課題点を見てみましょう!

Friday, 15 July 2022

世界中で培養肉の研究が進められていますが、培養肉は一体どのようにして作られるのでしょう。今回は培養肉とは何か、メリットや現状、課題点も含めて解説します!

培養肉とは?

培養肉とは、従来の肉の代わりを担う「代替肉」のひとつで、牛や豚、鶏などの動物から細胞を培養して作る肉のことです。

再生医療の技術を用いて動物から取り出した少量の細胞を体外で増やしていくため、従来の食肉生産のように飼育や繁殖で動物にストレスをかけたり、環境負荷をかけたりしません。動物や環境に優しい肉という意味で、「クリーンミート」とも呼ばれています。

また、培養肉は将来的に起こりうる世界の食糧危機問題を解決する切り札になるかもしれないと、話題になっています。動物や環境に優しいサステナブルな食材として、世界から注目を集めているのです。

培養肉のメリット

ここからは培養肉のメリットについて見ていきましょう!

<環境負荷を軽減できる>

1つめのメリットは環境負荷を軽減できることです。畜産は水、飼料、土地など大量の資源を必要とします。

例えば1kgの牛肉を作るには、20000リットルの水と10kgの穀物が必要だといわれています。また、農地を確保するための森林伐採も問題となっています。
加えて、飼育中や輸送の過程で排出される温室効果ガスも深刻な課題となっています。

培養肉はこれらの環境負荷のリスクを回避することが期待されます。

<家畜による感染症のリスクを防げる>

2つめのメリットは、家畜による感染症のリスクを防げることです。
家畜の成長を促進しようと抗生物質を与えすぎることで、薬剤耐性菌が発生することがあります。通常の薬が効きにくく、家畜だけでなく人に感染することも。これに感染してしまうと治療がより困難になってしまします。

培養肉では抗生物質を与える必要がないので、このようなリスクを避けられます。

<家畜の尊厳を守る>

3つめのメリットは、家畜に与える苦痛の軽減です。
従来の肉と異なり、培養肉の生産では家畜の命を奪う必要はありません。
家畜の尊厳を守りながら食肉需要に応えることができるといえます。

<食糧危機問題の解決策になる>

4つめのメリットは、食糧危機問題の解決策になるということです。
世界の人口は増え続けており、2050年には97億人を超えると予測されています。それに伴い、人間が食べる肉の量も1.8倍に増えるといわれています。このままでは将来、食べ物が十分に供給できなくなり、食糧危機に陥る可能性が考えられます。

しかし、仮に肉の生産量のすべてを培養肉に変えることができれば、それまで家畜に与えていた分の穀物を人間に供給できるようになり、その結果食糧危機の回避につながります。

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培養肉の現状と課題点

ここでは、培養肉の現状と課題点をお伝えします。

<培養肉の現状>

培養肉の技術はまだ開発途上です。2013年、オランダの研究者が世界で初めて培養ミンチ肉を作ることに成功しました。その培養肉を使ったハンバーガーは1個3000万円以上の費用が掛かったことで、話題になりました。

日本でも研究が進められ、2019年3月には世界初のサイコロステーキ状の培養肉を作ることに成功しています。現在は100gのステーキ肉を作ることを目標に、更なる開発が進められています。

<培養肉の課題点>

ステーキ肉のような大きな肉を作るためには、筋肉や血管などを立体的に構築する技術が必要であり、今後の課題になっています。

また食品としての安全性や消費者の心理的ハードルなども、今後の検討課題とされています。

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培養肉で作ったステーキが食べられる未来を目指して

培養肉を食べる日が来ることを、今はまだ想像できないかもしれません。しかし、培養肉は地球にも動物にもやさしい、持続可能な食材であることに期待が寄せられています。

培養肉の大量生産ができるようになれば、私たちの未来の食卓もきっと明るいものになるでしょう。「本物のステーキみたい!」と培養肉ステーキを味わう日も、近いかもしれませんね。

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